手術について
当院では安全に手術を行うため、手術とは別日に術前検査を行っております。検査結果を基に、術式やリスクの説明をさせていただきます。手術は衛生管理、安全な麻酔管理、設備点検を徹底しております。
手術の流れ
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ご予約
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ご来院・相談説明
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麻薬前検査
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手術
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退院
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経過
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ご予約
手術に関しましては事前の予約が必要です。まずはお電話を頂き診察とご相談の予約を取らせていただきます。緊急的な手術に関しましては、可能な限り対応致しますのでご相談ください。
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ご来院・相談説明
ご来院いただき、わんちゃん、ねこちゃんの健康状態の確認と手術に関するご説明・相談をさせていただきます。その場で手術日を決定、もしくは候補日をお伝えさせていただき後日ご連絡をいただくことも可能です。治療の選択肢や合併症、手術を行うことのメリット・デメリットなどをご説明させていただきますので、疑問や心配なことがありましたら遠慮なくご質問ください。
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麻薬前検査
原則として手術日決定後、事前に検査を実施し、安全に麻酔を行うことが出来るかを判断しています。
必要に応じて事前に追加検査や治療を実施する場合もございます。「ご来院・相談説明」時に説明を受けてください。
緊急手術の場合は当日検査を行いリスク評価を行っています。 -
手術
手術日の午前中にお預かりし、お昼に手術を行います。手術内容や患者の状態によっては数日前からの入院をお願いする場合もあります。お預かりしましたら、手術に向けて準備を進めさせていただきます。
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退院
手術内容や麻酔の状況により入院期間は様々ですが、負担の大きい手術の場合は術後に集中的な治療やケアを必要とするため数日入院となることがあります。当日退院可能な手術もありますので、退院時期に関しては手術前にご説明させていただきます。
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経過
退院後は必要に応じて自宅でお薬を飲んでいただいたり、経過の診察のため定期的に通院をお願いさせていただきます。
手術のための麻酔について
質の高い麻酔管理、疼痛管理に努めております。
複数の薬剤を組み合わせて行うバランス麻酔を実施しております。
また必要に応じて局所麻酔や神経ブロックを行うことでわんちゃん、猫ちゃんにより安全でストレスの少ない手術を行います。
- 避妊手術、去勢手術
- 腹腔内陰睾切除
- 臍ヘルニア整復術
- 子宮蓄膿症
- 眼球摘出
- 体表腫瘤切除
- 腹腔内腫瘤
- 膀胱結石
- 歯石除去
- 脾臓摘出
- 椎間板ヘルニア
- 胆嚢摘出
- 外傷
- 耳血腫
- 軟口蓋切除
- 帝王切開
- 尿道結石摘出
- 会陰尿道造瘻(猫)
- 尿管結石(SUBシステム)
- その他専門外来でも手術対応をしています(腫瘍科、整形外科、眼科)
入院について
わんちゃん・ねこちゃんの病状に応じて入院での治療を提案させていただくことがあります。入院の前に病状、治療方針のご説明をさせていただき、治療費や入院日数などの治療計画をお伝えさせていただきます。当院は24時間スタッフが在中していますので、夜間の状態変化にも対応可能です。
入院中は衛生面、看護面などにも十分に配慮し、動物のストレス軽減に努め献身的な看護を提供いたします。動物の状態や飼い主様のご希望を考慮した形での治療をご相談させていただき、ご家族に寄り添った最善の治療を目指します。
ご面会について
当院では入院したわんちゃん・ねこちゃんの状態について、ご面会またはお電話でご様子の報告をさせていただきます。状態変化や治療方針について変更があった場合は病院からご連絡させていただき、なるべく早くご家族の方へ状況を説明させていただいております。
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当院でのご面会
ご面会は診療時間内をご案内しておりますが、診療時間以外でもご希望に沿えるよう可能な範囲で対応させていただいております。また、何度ご面会に来ていただいても大丈夫です。他の方とお時間が被らないないようご予約制とさせていただいますので、スタッフにご相談ください。
面会可能な時間
午前 9:00~11:30
午後 16:00~18:00
※ご都合に合わせて上記以外の時間でも対応できるようにしています。スタッフにご相談ください。 -
お電話でご様子の報告
日中 9:00-18:30
夜間 1930-8:00
※緊急処置中の場合、折り返しご連絡させていただく場合がございます
予防について
わんちゃん・ねこちゃんの病状に応じて入院での治療を提案させていただくことがあります。入院の前に病状、治療方針のご説明をさせていただき、治療費や入院日数などの治療計画をお伝えさせていただきます。
健康診断、フィラリア・ノミダニ予防、ワクチン、避妊去勢についてご案内しています。定期的な健康診断が病気の早期発見に繋がります。ご希望の方はお問い合わせください。
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新しく仔犬、仔猫を迎え入れたけど予防って何をしたら良いの?という時は是非当院にご相談下さい。また、人と同じく動物も高齢化が進み予防医学が重要な時代になってきました。人の予防医療には1次予防(生活習慣と予防接種)、2次予防(定期健康診断)、3次予防(治療とリハビリ)という3段階の概念があります。私たちは治療はもちろんですが、1次予防や2次予防の段階を重視し動物の健康の維持・増進に努めています。
予防・健康診断一例
みなさまのご家族に合わせた健康診断をご提案いたします。結果をもとに生活指導や食餌等のご相談を行わせて頂きます。普段の生活で気になることがあれば何でも聞いて下さい。- フィラリア症予防
- ノミダニ対策
- 避妊去勢手術
- 狂犬病ワクチン
- 混合ワクチン
- 健康診断(ペットドック(8月〜2月))
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フィラリア症とは
フィラリア症とは、フィラリアという寄生虫が心臓内に寄生して心臓や肺、血管や肝臓に様々なダメージを与え、最終的にはその動物の命を奪ってしまう恐ろしい病気です。本来は犬がかかる病気ですが、猫も感染することが分かっています。
犬は病気にかかると、心臓や肺が侵されて咳や呼吸困難、腹水、黄疸などの症状が出てきて発見されますが、猫は症状が出にくく、突然死することがあります。フィラリアという寄生虫は、蚊が、犬から吸血することで、感染犬から他の犬や猫へ感染させる役割をしています。
残念ながら、蚊に吸血されることは完全な予防が出来ません。ワンコに虫よけスプレーなどを吹きかけないでくださいね。舐めたり吸ったりしてしまいそれはそれで危険です。
「フィラリア症予防薬」というお薬は、蚊の吸血を予防するのではなく、フィラリアを持っている蚊に吸血されても、吸血されてから1カ月以内であればフィラリアという虫を安全に退治できるお薬です。つまり、フィラリア症という「病気」を予防するためのお薬です。
予防薬は飲んだ時に、体内にいるフィラリアを退治するもので、お薬を飲んだ翌日に蚊に吸血されて感染してしまったら駆除はできません。また、フィラリアという虫は蚊から犬や猫の体内に入ると、脱皮を繰り返しながら体内を移動し、最終的に心臓に行って成虫になります。体内で2回脱皮すると予防薬では安全に駆除することが出来なくなります。場合によってはアナフィラキシーショックや塞栓症などの強い副作用が出ます。予防薬で駆除できないフィラリアは、別の方法で駆除が必要になりますが、身体への負担は大変大きくなります。このような理由から、寒くなって蚊がいなくなってから1か月後まで、お薬を月1回飲ませて定期的に駆除することが大変重要なのです。フィラリア症は恐ろしい病気ですが、きちんとお薬を飲ませることで、安全に、かつ簡単に、フィラリア症を100%予防できるのです。
予防薬の種類
当院でご用意しているフィラリア症予防薬は、お腹の虫も一緒に駆除できる薬や、ノミマダニ予防も一緒にできる薬など複数あります。そのコにあったお薬を選んであげましょう。
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錠剤タイプ タイプ
色々な食べ物のアレルギーのある子やおやつでも好き嫌いがある子にお勧め。
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おやつタイプ タイプ
おやつならなんでも大好き!という子にお勧め。食べ物のアレルギーがあっても食べられないものが分かっている子なら大丈夫な場合もありますのでご相談ください。
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スポットタイプ タイプ
首から肩にかけての舐められない部分の皮膚に滴下します。食が細くて薬やおやつは飲ませるのが大変!という子にお勧め。猫ちゃんにはこちらのタイプになります。
よくあるご質問
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東京でもフィラリア症にかかっている犬や猫っているの?
はい。近年感染率は減少傾向ですが、当院でも実際に感染してご来院される患者様もいます。
感染した場合のリスクを考えると、月1回の予防を確実に行いましょう。 -
予防薬を投与する前に検査は必要なの?
はい。感染しているわんちゃんに予防薬を投与するとと重篤な副作用が出る可能性があります。昨年度の薬が余っていても投与せず必ず検査を受けるようお願いいたします。
フィラリア症の予防と治療
千葉県出身?で東京のお家で幸せに暮らしているアンちゃんのお話
寒い冬の季節に、千葉県のとある場所でボランティアさんに保護されたシーズー(と思われる可愛さです。)のアンちゃんは、ご縁があって東京のお家で暮らすことになりました。
アンちゃんはそれまで想像できないほどの苦難を乗り越えてきたのでしょう。保護された時はボロ雑巾のような風体だっただけではなく、検査をしたらすでに心臓にフィラリアが多数寄生していました。咳をしやすく、疲れやすかったのはフィラリアが心臓と肺に負担をかけているせいでした。
アンちゃんを新しい家族として迎えたお家には、お兄さん犬がいましたが、その子はきちんとフィラリア症予防をしていたので、お兄さん犬がアンちゃんからフィラリアをうつされてしまうことはありませんでした。アンちゃんは動物病院で精密検査を受け、幸運にも末期的な状況ではないことが分かりました。その後、アンちゃんの体調に合わせたフィラリア症の治療を受けることができ、無事に3年後には心臓の中のフィラリアはいなくなりました。心臓や肺はフィラリアが寄生した後遺症は残っていますが、今ではすっかり元気になり、フィラリア症という大病を患っていたことは微塵も感じさせないワンちゃんになりました。
アンちゃんは今も、可愛がってくれるパパやママ、お兄ちゃん、お姉ちゃん、そしてお兄さん犬と幸せに暮らしています。
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ワクチンとは
ワクチンとは、感染症の予防のために投与する薬のことです。病気を発現しない程度に毒性を弱めた病原体を投与する生ワクチンと、無毒化した不活化ワクチンがあります。ワクチンをうつとその病気への免疫が作られ、病原体が体内に侵入しても発症を予防したり症状を軽度で済ませたりすることができます。
犬も猫も生まれた直後に初乳を飲むことで、お母さんから移行抗体というお母さんのもつ免疫を受け取ります。しかし、その免疫は徐々に失われ、生後8~12週頃には病気の予防ができない程度に低下するので、その時期に合わせてワクチンで免疫をつけてあげる必要があります。ワクチンは接種する時期も大切です。生まれた年は2-3回のワクチン接種が必要です。
各ワクチンのメリットデメリット
ワクチンは人と同じで体調が良い時に接種することが前提となります。体調がすぐれない時にワクチンを接種すると、体調が更に悪化したり、アレルギーや下痢、嘔吐等の副作用が出たり、十分な免疫がつけられない可能性もあります。ワクチン接種を受ける時はお家での体調(元気、食欲、おしっこ、うんちの状態その他)が良い事をしっかり確認して来院して下さい。ワクチン接種後、体調に変化があった場合は、夜間でも無料で診察をさせていただきます。普段と様子が違う場合は、お問い合わせください。-
犬対象対象6種混合ワクチン
ジステンパー、パルボ、アデノ(伝染性肝炎を起こす1型、伝染性喉頭気管炎を起こす2型)、パラインフルエンザ、コロナウィルス感染症を予防できます。コロナウィルスはパルボウィルスと混合感染すると致死率が上がります。
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犬対象対象10種混合ワクチン
6種混合ワクチンにくわえてレプトスピラ症のワクチンが4種追加されています。アウトドアに行く事が多い、河川敷などを散歩させる、レプトスピラが発生している地域等では接種が勧められます。
デメリット5種または6種混合ワクチンよりはアレルギーのリスクがわずかに上昇します。
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猫対象対象3種混合ワクチン
猫カリシウィルス、猫ヘルペスウィルス、猫パルボウィルスの感染を予防、又は症状を軽くすることができます。
よくあるご質問
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ワクチンは毎年打たないとダメですか?
現在WSAVA(世界小動物獣医師会)の、グローバルなワクチン接種に関してのガイドラインでは、「コアワクチン」と呼ばれる特定のウィルスに対してのワクチンは、生まれた年と翌年に、適切な時期と適切な回数で接種して免疫がつけられれば、2歳以降の毎年の接種は必要が無いと言われています。
コアワクチンとは、犬ではジステンパー、パルボ、アデノウィルスです。猫ではカリシ、ヘルペス、パルボウィルスです。犬のパラインフルエンザ、レプトスビラ、猫の白血病ウィルス、クラミジアに対しての「ノンコアワクチン」と呼ばれるワクチンについては、流行地域では毎年の接種が推奨されています。
同時に、ワクチンを接種しても免疫が十分にできない動物がいるのが事実なので、ワクチンを接種しなくても、毎年ワクチンで作られた免疫の程度を確認するために、抗体価(免疫に重要な働きをする抗体という蛋白質の量です)を測定することが推奨されています。日本ではコアワクチン接種率が非常に低いこと、ノンコアワクチンのみのワクチン製剤がレプトスピラ症しかないこと、等の理由から、体調が良好なコには当院では毎年接種をお勧めしています。 -
アレルギーが出たことがあるのでワクチン接種が心配なのですが
過去にワクチンアレルギーが出たことがあるなどワクチン接種が心配な方は、ワクチンの種類を変更することをお勧めします。お薬を事前に飲ませてアレルギーが出ないようにする場合もあります。もしくは、ワクチンによる免疫が十分あるかを血液検査で調べてから、ワクチン接種の判断をしましょう。いつでもお気軽にご相談ください。
狂犬病ワクチンについては、日本は法律で毎年接種を義務付けられています。過去に狂犬病ワクチンでアレルギー反応が出たコや病気の治療中のコは、獣医師が診察の上でワクチンを猶予する証明書を発行し、お住まいの市区町村に届け出る必要があります。 -
シニアになってきたからワクチン接種が心配
シニアだからというだけでワクチン接種が危険な理由はありません。年齢が進むにつれ、体内の抗体価が病気を予防できない程度に下がっていることもあります。また、一見元気そうに見えているコでも、健康診断を行ったら残念ながら大病が発見された。というケースも人と同様によくあることです。もちろん、その場合はワクチン接種よりも病気の治療が優先されることがほとんどです。
年齢に応じた健康診断を行った上でワクチン接種をするか、抗体価測定をして病気に対する抵抗力を調べてから接種するなど、そのコの体調をしっかり確認しながら、ワクチン投与を検討しましょう。
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全ての手術を安全に行うための術前検査
犬猫の避妊、去勢手術は手術時間も短く、若い動物で行われることが多いこともあり、簡単な手術というイメージが抱かれがちですが、全身麻酔を必要とする手術であり、女の子の場合お腹を開けて行う開腹手術であることを改めて考えると、決して軽んじてはならない手術であるといえます。
また若いから、健康そうだからといって何かしらの病気を抱えていないとは言えません。経験を積んだ獣医師でも外見からは知ることの出来ない問題が無いか検査をすることによって、安全に行われるべき手術をより安全に行うために術前検査が必要なのです。私たちは手術を行う前にその子の健康状態をより良く知るために白血球、赤血球、血小板といった血球計算、肝臓や腎臓などの状態を調べる生化学検査、眼では見えない心臓や肺の状態を調べるレントゲンそして心臓の働きを調べる心電図の検査を行います。手術
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麻酔
手術は基本的に全身麻酔で行います。
麻酔の方法は、気管チューブを使用し酸素と麻酔ガスを注入する、吸入麻酔を基本としていますが、手術内容に応じて鎮静処置など負担の少ない方法を選択することもあります。また手術中は心電図、血圧、体温、体内の酸素の状態、麻酔深度などのモニターし、バイタル変化があった場合は直ちに対応できる体制を整えています。 -
避妊手術
全身麻酔下で両側の卵巣、子宮を摘出します。基本的には日帰りの手術となりますが、開腹手術になるため痛みの様子やや麻酔後の状態によっては一日お預かりする場合があります。また、発情が起きている場合、手術リスクを考慮し時期をずらしての手術をご提案しています。術後は縫合部を舐めないよう、エリザベスカラーもしくは術後服を使用し術創を保護していただき、7-10日ほどで抜糸となります。
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去勢手術
全身麻酔の下で両側の精巣(睾丸)を摘出します。傷も小さく7〜10日で抜糸が可能で、抜糸の後は通常の生活に戻れます。
精巣が陰嚢内ではなく、皮下や腹腔内に留まっていることを潜在精巣と呼びます。潜在精巣の動物は、正常な動物に比べて腫瘍になる可能性が約8倍高いと言われていますが、これも去勢手術で予防することができます。 -
抜歯 抜糸?
術後7‐10日で行います。切開した皮膚が癒合したことを確認したのち、縫合した糸を除去します。
避妊去勢の目的
避妊・去勢手術の大きな目的は、生殖器由来の病気の予防です。手術を行うことで将来的に前立腺疾患や子宮蓄膿症などの生命に関わる病気への罹患を防ぐことができます。また、それ以外にも望まれない不幸な動物を増やさないことも目的の一つとなります。犬や猫が人と生活を共にするにあたって避けて通れないのは人間社会との共存です。なかでも人間との大きな違いの一つが犬や猫が多産であり、最大年に2度の妊娠・出産が可能であるという事実が毎年殺処分される犬猫の多さからも知られているように、社会的に大きな問題であるといえます。残念なことに私たちの力ではこの子たちすべてに温かい家を提供してあげることができません。また、避妊去勢を行わないことで、しつけが難しくなったり、行動上の問題が生じて人と暮らせなくなる子も少なくありません。このような悲しい事態を避けるためにも避妊去勢手術は有用と考えますが、処置の必要性に関してはご家族と相談しながら決めていく必要があると考えます。
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期待できる効果
健康
男の子なら、精巣の腫瘤、前立腺の病気の予防に効果があります。女の子なら、子宮や卵巣の病気、乳腺腫瘍、偽妊娠などの予防に効果があります。なかでも最も効果が期待できるのは乳腺腫瘍の予防です。データによると、初回発情前に避妊手術を行うと、乳腺腫瘍を99.5%予防することができるといわれています。この予防効果は発情回数が増えるごとに少なくなり、発情が4回以上になるとほとんど予防効果が望めなくなります。また、2.5才を過ぎても同様に効果が無くなります。猫も犬と同様に早期手術が乳腺腫瘍の予防に繋がります。6ヶ月までに避妊手術を行うと91%予防可能ですが、2才を過ぎてしまうと効果は期待できなくなります。行動
繁殖できない環境の下での、マーキングやマウンティングなどの行動は、動物にとっても人間にとってもストレスになります。生成熟前の手術によりこうした行動を予防して動物と家族がより良い関係を築くことが可能になります。社会
日本では毎年引き取り手のない多くの動物が、人間の手で処分されています。望まれない繁殖を防ぎ、捨てられる動物を減らすことは、社会的な摩擦を減らして犬や猫が人間社会で暮らしやすくなると同時に、「殺処分」という、子供たちの教育的に望ましくない方法を減らし、またこれらに係る費用(税金)を減らすことができることによって社会に役立ちます。 -
最適な時期
去勢・避妊手術は未成熟のうちに行うと、しつけがしやすくなるという効果もあり、小型犬、中型犬、猫ではワクチンが終わってから生後半年以内、大型犬では骨の成長が止まる生後10ヶ月位からが目安になります。当院では種別、健康、成長状態などから、最適な時期をご提案するようにしています。まずは遠慮なく相談ください。
よくあるご質問
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手術を受けると本当に太りやすくなりますか?
術後太りやすくなると言われています。しかし症状には個人差があり、規則正しい食事や適切なカロリーコントロールで対応することができます。
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まれに尿失禁が起こると聞きますが?
ホルモン反応性尿失禁が起こる可能性がありますが、これも適切な治療でコントロールすることができます。
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性格も変わってしまうのでしょうか?
攻撃的な行動が減り、温和で従順になったと感じることが多いと思いますが、基本的に動物本来の性質が変化することはありません。去勢・避妊手術の獣医学的メリットは、デメリットをはるかに上回ります。不安なことは、何でも当院にご相談ください。
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麻酔は危険ではありませんか?
20年以上昔、動物の麻酔は静脈や筋肉内に投与する「注射麻酔」で手術を行うことが多くありました。このような麻酔を用いた手術では動物の呼吸状態を安全に維持することが難しかったり、麻酔の深さを調節しにくいこともあり、麻酔に関わるトラブルもありました。現在では麻酔薬や麻酔方法(吸入麻酔)進歩、麻酔中の動物の状態をより詳しく知るためのモニター機器、麻酔技術そのものの進歩とともに、麻酔中の事故は大幅に減少しています。当院では麻酔に当たって高度な技術を有する麻酔担当獣医師が手術中の麻酔を行います。また、各種麻酔モニターなどを使用して不測の事態にも対応できる体制で手術を行います。さらにどんなに簡単と思われるような手術でも常に麻酔医、執刀医、助手、補助等数人の獣医師・愛玩動物看護師・動物看護助手で行うことによって、人為的に起こりうる事故が最小になるよう留意しています。
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