実績紹介

イオンペット動物医療センターがこれまでに治療した様々な症例実績をご紹介します。

2022年12月までにイオンペット動物病院グループで試行された手術件数を掲載しております。

内科

  • すい臓から分泌されるインスリンが不足したり、作用が不十分で血糖値を下げることができなくなる病気です。 高血糖な状態が続くことで様々な合併症や障害をひきおこします。具体的には、白内障、網膜症、肝疾患、細菌感染症、自律神経障害、腎疾患、心筋梗塞、膀胱炎、子宮蓄膿症など、ヒト同様様々です。比較的高齢で、雄より雌によくみられます。

  • パルボウイルスの感染により、消化器や心臓の障害、敗血症などがひきおこされる病気です。 下痢や嘔吐がひどいとショックに陥り大変危険です。妊娠中の母犬に感染すると流産することがあります。免疫力の低い幼犬や高齢犬は要注意です。

  • 甲状腺ホルモンの分泌量が何らかの原因で過剰になる病気です。 原因は、甲状腺の腫瘍や甲状腺組織の過形成などです。甲状腺ホルモンは身体の新陳代謝を調節していますが、その分泌が過剰になると基礎代謝が高くなりすぎるため心臓をはじめ様々な器官に影響を及ぼします。高齢の猫にみられることが多く、犬ではあまりみられません。

外科・整形外科

  • 前十字靱帯とは、膝関節の中にあり太ももとすねを結びつける靱帯です。
     この前十字靭帯は後十字靭帯とともに後ろ足の運動機能に関わり、特に1.膝が太ももより前に出ないように制限、2.膝の過剰な進展を防止、3.すねが内側へねじれないように制限、などの役割を担っています。
     前十字靭帯断裂とは、この前十字靭帯が何らかの原因で切れてしまう病気です。

  • 脊柱を構成する頸椎から尾椎までの椎骨間にあるゼリー状のクッション(椎間板)が、背中側に飛び出して神経を圧迫する病気です。
     肥満、激しい運動、加齢などがひとつの原因です。
    軟骨異栄養症性犬種(ダックス、ペキニーズ、コーギー、ビーグル、パグ、シーズー、プードルなど)によくみられ、若いうちから発症することも少なくありません。
    重症なものでは歩行ができなくなることもあります。

  • 後ろ足の膝のお皿(膝蓋骨、しつがいこつ)が、正常な位置からズレてしまう状態です。

  • 文字どおり、骨が折れたり剥離したりするけがや病気です。 交通事故、転落、けんか等の外因性のものばかりではなく、腫瘍、疲労骨折、発育栄養障害(くる病など)等の内因性のものもあります。

  • 子宮の中に入った細菌が炎症をおこして、膿がたまってしまった病気です。 避妊していない5歳~高齢期の犬に比較的多い病気で、雌性ホルモンが関係しており、発情期の後にみられることがあります。悪化すると尿毒症や腎不全などの合併症につながることもあり、重症のことは命の危険もあります。

  • 胸部と腹部を隔てている筋肉の膜(横隔膜)が、欠けていたり、破れてしまうことで、腹腔内の臓器が胸腔内に入り込んでしまう病気です。 非外傷性のもの、事故やけがなど外傷性のものがあります。横隔膜が破れてしまうと、肺が空気を取り込みづらくなるのに加え、胸腔に侵入した肝臓や胃などが肺を圧迫することで、さらに呼吸を困難にします。

  • 股関節の発育不全により、股関節の変形や炎症をおこす病気です。 遺伝と環境と栄養の3要因が関係すると言われています。大型犬の発育期(生後1年程度)によくみられ、両側の股関節に発生することもあります。良くない状態の場合、股関節がかみ合わず脱臼が慢性化したり、歩行が困難になります。

皮膚科

  • 口や鼻、皮膚から体内に入ったアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)に、免疫機能が過剰に反応しておこる皮膚の病気です。 発症する原因はわかっていません。アレルゲンは、ハウスダスト、ダニ、花粉、カビ、食品や薬品など様々です。発症する場所は顔、耳、完全に治すのは非常に難しい病気です。

  • 皮膚糸状菌症の発症には、免疫力が関与しています。免疫力が低い時期に発症しやすいほか、毛の生え変わる時期(換毛期)や、被毛が活発に発育する時期にも感染が起きやすいと言われています。感染したどうぶつと接触することでヒトにもうつる事があります。

  • 耳介(じかい)から鼓膜までの外耳道に炎症が起きる病気です。 犬でも猫でも起こります。特に耳がたれている犬種(プードル、ダックス、シーズーなど)に起こりがちです。酵母(マラセチアなど)の真菌、細菌(バクテリア)、寄生虫(ダニ)、アトピーやアレルギーなどによりひきおこされるもの、また原因がわからないもの(特発性)もあります。何も対処しないと慢性化したり、中耳そして内耳へと、炎症が広がることがあるため注意が必要です。

眼科

  • 目には水晶体と呼ばれるカメラのレンズのような器官があります。水晶体は通常、透明ですが、白内障はこの水晶体の一部もしくは全部が何らかの原因で変性し、白く濁ってしまう病気です。

  • 眼は房水という液体で満たされていています。眼球内の房水の量が増え眼圧(眼球内の圧力)が上昇すると視神経や網膜が圧迫されます。そのために視覚障害がおこる病気です。 激しい痛みを伴うことがあり、進行すると数日で視力を失うこともあります。

歯科

  • 歯肉の炎症を歯肉炎といい、歯周組織の炎症を歯周炎といいます。この2つを併せた総称を歯周病と呼びます。犬の口の病気でもっとも多く、発症率は年齢とともに増加します。

循環器科

  • 老齢の小型犬で発症が多い心臓の病気です。心臓の左心房と左心室の間に位置する僧帽弁が、なんらかの原因で変性し、閉鎖不全が生じることによって起こる病気です。キャバリアなどに発症が多いといわれています。

  • 肺の中の肺胞や気管支に、液体が溜まり呼吸困難をひきおこす病気です。 心臓疾患などから継続して生じることがあります。原因が心臓にある場合は、心機能低下で肺の血圧が上昇することによって、また、原因が心臓でない場合は、肺の炎症から毛細血管の透過性が高くなることによって血液中の水分が漏れ出して肺内に溜ります。

腫瘍科

  • 乳腺が腫瘍化する病気です。犬では発生が多く、ヒトの3倍なりやすいといわれています。
     雌犬の腫瘍では発生が最も多いです。
     高齢の雌、特に避妊手術をしていない場合に多く発生します。原因はホルモンの影響が大きいと考えられています。
     犬では良性と悪性の割合はほぼ50%で、多くの乳腺腫瘍は早い段階に手術を行うことで治すことができます。

  • 扁平上皮癌は皮膚細胞の腫瘍です。
     そのため扁平上皮細胞が存在する場所で発生します。
     また、他の悪性腫瘍と異なりしこりではなくただれや潰瘍として現れます。

  • 色素(メラニン)を生成する細胞のメラノサイトが癌化した腫瘍です。
    口の粘膜や舌に発生することが多い腫瘍となります。その他の部位では瞼や指先などに発生することもあります。

  • 血液成分である白血球の一つであるリンパ球が癌化する血液の癌です。
    犬の多くが「多中心型リンパ腫」と言われていますが、その他に「消化器型リンパ腫」「縦隔型リンパ腫」「皮膚リンパ腫」など病変発生場所によって分けられます。

  • 血管のまわりなどにあり、免疫機能をもつある種の造血幹細胞(肥満細胞)が腫瘍化する病気です。 原因は、はっきり分かっていませんが慢性的な炎症から生じることがあるとされています。目の周りや耳に発症する皮膚型のものと、脾臓や肝臓、消化器に発症する内蔵型のものがあり、猫では前者は良性、後者は悪性のことがよくあります。猫の皮膚の腫瘍の中では2番目によくみられる病気です。

行動診療科

  • 脳の⽼化(機能低下)に関連し、様々な⾏動変化を⽰します。

消化器科

  • 膵臓は「タンパク質や脂肪、炭水化物を分解する消化液を出し、血糖値をコントロールするためにインスリンを出す」などの役割を担っている臓器です。急性の膵炎と慢性の膵炎があり、急性膵炎は膵臓の消化酵素が何らかの原因で活性化されたことで膵臓自体が自己消化されてしまうことで様々な症状を引き起こします。慢性膵炎は進行性の膵繊維化に伴う膵機能障害で、消化吸収に影響を及ぼします。臨床現場でもしばしばみられます。高脂肪食が発生の要因になるといわれていますので、おやつなど高脂肪食の与えすぎに注意してください。また、肥満は発症リスクを高める恐れがあるため、体重管理が重要です。

神経科

  • 脳の病気です。てんかん発作を有する動物が、詳しい検査を行っても明らかな脳病変が見つからない場合には特発性(=原因が特定できない)てんかんと診断します。若い頃に発症した場合には特に、遺伝子との関連性が考えられています。発作の程度に応じて、抗けいれん発作治療薬での治療を行います。

  • 脳の炎症により、さまざまな神経症状を引き起こします。犬の脳炎では炎症の原因が特定できない場合が多くあり、それらの一部で特徴的なもの(壊死性髄膜脳炎・壊死性白質脳炎・肉芽腫性髄膜脳炎)をまとめてMUOと呼んでいます。自己免疫性と考えられていて、免疫抑制治療を行います。犬に比べて稀ですが、猫でも報告があります。

  • 脳や脊髄、末梢神経にできる腫瘍です。その種類・症状はさまざまで、手術や放射線治療、抗がん剤、対症治療などを提案します。

  • 脳にある、水を貯める空間である脳室内に水が過剰に溜まり、意識・視覚障害など、さまざまな症状を引き起こします。先天性のものや、脳腫瘍や外傷などにより二次的に起こるものもあります。

  • 後頭部の脳と頭蓋容積のアンバランスの結果、小脳の尾側と脳幹が大後頭孔から脱出し、さまざまな症状を引き起こし、次に出てくる脊髄空洞症を頻繁に伴います。猫でもまれに報告があります。

  • FIPウィルス感染により脳炎を起こします。若齢純血種の猫に多く、少し前までは治療方法がなく極めて高い致死率でしたが、近年では効果的な治療薬が出てきています。

  • 脊髄実質内に異常に水が貯留する病気で、側湾や疼痛、ふらつきなどの症状を引き起こします。髄液の動きに影響を来す、さまざまな原因が考えられていますが、前出のキアリ奇形に伴う事が最も多いです。

  • 背骨の骨と骨の間にある椎間板が飛び出して、近くを通る脊髄を圧迫する事で、疼痛やふらつき、足が動かない、排泄ができないなどの症状を引き起こします。ダックスフンドで多いですが、さまざまな犬種で起こします。

  • 脊髄を囲む膜の一部が憩室となり、そこに水が溜まる病気です。さまざまな原因が考えられています。ふらつきや排泄の障害などを引き起こします。悪化する場合には手術が必要です。

  • 髄膜にある血管が炎症を起こし、痛みや発熱を引き起こします。2歳までの若い犬、特にビーグルやバーニーズマウンテンドッグなどで多くみられます。自己免疫性と考えられていて、治療はステロイドなど免疫抑制治療を行います。

  • 椎間板に由来すると考えられる線維軟骨が脊髄の血管に詰まる事で引き起こされる、脊髄の血管障害です。急性に発症し、四肢の麻痺や排泄障害、初期には痛みを引き起こします。

  • 末梢神経で炎症を起こす事で、骨格筋の麻痺が起こります。多くが自己免疫性ですが、感染症によるものもあり、治療は原因によりさまざまです。

  • 後天性の場合が多く、末梢神経からの伝達物質(命令物質)を受け取るための、骨格筋にある受容体に対する自己抗体が関連した病気です。末梢神経から筋肉への情報伝達ができなくなるため、筋肉に力が入らず、立てなくなります。まぶたの筋肉や、食道の筋肉などで生じる事もあり、それぞれに応じた症状がみられます。先天性の場合もありますが稀であり、後天性とは違った病態が考えられています。

  • 全身の骨格筋で炎症を起こす事で、筋虚弱・萎縮、活動性低下などを引き起こします。感染症や自己免疫性など、さまざまな原因で起こります。食道拡張や、心筋炎、関節炎など、そのほかの炎症を伴う事もあり、それぞれに応じた症状がみられます。まずは症状や血液検査で疑いますが、確定診断には筋電図や筋生検による病理検査が必要となります。

  • 頭の脇や、顎の周りの咀嚼筋筋群に生じる炎症性筋疾患で、犬では一般的ですが、ごく少数の猫でも報告があります。自己免疫疾患と考えられていて、血清中の自己抗体や、筋生検による病理検査で診断をします。免疫抑制治療を行います。